10kg入600箱のみかんの発送作業で ”ぎゃふん”と言わされた私を含む3人は、『も〜これは無理無理!』とすっかり逃げ腰状態で一日を終えました。その夜、自分達でするのは無理だけど、『何か他に方法があるはず!』と風呂の中で腕や足を揉みながらハタと思いついた事がありました。
その日運送屋さんに何万円ものお金を払い、農家さんで積み込んでもらい、当社で全部降ろしました。その後ラベルを貼る作業を終え、佐川さんが又積み込んで集荷されました。そうです。何度も無駄な積み降ろしをしなくても、『農家さんがラベルを貼って下されば、その家(農家さん)に集荷に行ってもらう事が出来るかもしれない』と思い至ったのです。
何と怠け者の発想でしょう!『後は“お願い”してOKを取るまで粘るぞ!!』と心に決め、私は泥の様な眠りに落ちました。先に落とすのは佐川急便さんです。当時、担当者だった松橋支店の宇都宮さんに相談しました。
集荷場所は河内町で、松橋支店は管轄外という事もあり、ダメかもしれないと思ったのですが、宇都宮さんは「自分が責任を持って全部集荷します。」と即答してくれたのです。
涙が出る程嬉しかった事を今も覚えています。
後は農家さんです。その足で河内町の農家さんの所に行き、「箱の中に振込用紙を入れて、ラベルを貼って頂きたい」とお願いした所、迷う事も無く了解して頂きました。
本当に『ウソでしょう!』と言う感じで上手く事が決まってしまったのです。まさに、佐川さんとのタイアップによる、農家直送システム確立の第一歩を踏み出した一日でした。
担当が宇都宮さんでなかったら『前例が無いから』と断られていた事でしょう。
今は鹿児島支店におられますが、本当に私の恩人です。
これでひとまず、大変な発送作業から解放された私達は、売る事に専念する事が出来たのです。こうして、みかん通販一年目のドタバタ劇は始まりました…。