大嶌屋は農家さんからの産地直送を続けている会社です。
ここまで来るには本当にたくさんの色々なことがありました。
特にスタート当初は戦いの連続でした。
先日みかんの目慣らし会に農家さんに集まっていただいた際、簡単なあいさつをして、口をついて出てきた話がありました。
普段はすっかり忘れていたのですが、話し始めるとそのときの光景がはっきりと蘇ってきます。
私はそのときデコポン(不知火)を出してもらえる農家さんを探していました。
村上さん夫婦を紹介してもらい、小屋でデコポンの選別をされているところにお邪魔して座り込みました。
顔も見てもらえない。話にあいづちも返ってこない。
"これは長期戦になるな"と私は作業をじっと見ていました。
コンテナいっぱいのデコポンを一玉一玉手に取り、汚れを落とし、穴の空いた板でサイズを決めます。
それからサイズごとに箱詰めです。それは気の遠くなるような面倒な仕事でした。
「なぜサイズごとに分けるんだろう?」「どうしてほんの少しの傷も探しだして外すのだろう?」
それは何も知らない私の素朴な疑問でした。
日が暮れて小屋の中も薄暗くなってきました。
そろそろ潮時です。「また来ます」と帰る私に「とってもろてよかばい(もらっていいよ)」と小さな声で言ってもらい、涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。
その帰り道です。
車の中で"大きいのも小さいのも一緒に入れていい。少しの傷はあっても美味しければ良い!"
それを買ってくれる人を探そう!!
それはあの農家さんたちの面倒な仕事を少しでも楽にしてあげたいという思いからでもありました。
今では当たり前になった弊社の大小混合はこの日に小屋でじっと作業を見ていて思いついたものでした。
村上さんは今もずっとデコポンの出荷をしていただいています。
懇親会も目慣らし会も欠かさず参加してくださいます。
初めの頃から続いている農家さんはすべてこんな形でつながっていきました。
目慣らし会では農家さんたちが真剣に話し合っています。
大きさが違っても、皮に小さな傷やくすみがあっても
中は本当に美味しいみかんです。
ずっと大嶌屋がお世話になっている村上夫妻
本日もお読みいただいてありがとうございました。
感謝