りんご農家の赤石さんのご両親と淳市さん
8年〜9年も前のことだと思います。
地元の酒屋さんにいつも1升瓶に入ったりんごの生絞りジュースを1本1000円で販売してありました。
専務(息子の健太郎)が大好きで、行くたびに買ってきていたのですが、
ある冬の日、袋に入ったりんごが販売されており、横に輪切りにしたりんごにラップを巻いて見本が置いてあったそうです。
買ってきたりんごを家で横に輪切りにしたそのときが、私の蜜入りりんごとの初めての出会いのときでした。
輪切りにした蜜入りりんご
存在すら知らなかった「蜜入り」というネーミングと見た目、そして食べたときの濃厚な味。これは売れる!と直感した瞬間でした。
見ると袋の中に生産者の名前と電話番号が入っているではありませんか。
5分と考えもせず、私は電話していました。
出られた私と同年配の赤石さん(お父さん)の会話は私が半分しか解らない津軽弁で話は進みません。
ところが、どうも来週、りんごの生絞りジュースを販売している酒屋さんに対面販売で1週間、来熊するらしいのです。
飛び上がらんばかりに喜んだ私は、早速夕食にお誘いし、話を聞いてもらうことにしました。
約2時間の夕食の間、夫婦は私と目を合わせることすら一度もなく返事、相づちもありませんでした。
食事にも一切手をつけられず、私の一人おしゃべりの時間は終わってしまいました。
「これは手強いな。熊本のみかん農家さんどころではないぞ」と思いながら、あきらめかけた別れ際に「こんな話は息子にしてください」と一言。
聞いてくれてたんだ!とかすかな望みを息子さんにつなぎました。
翌月、福岡に来たついでに熊本によってくれた赤石さんの息子・淳市さんは快よく「やってみましょう」と言って、シーズン2万ケースという無謀な私のお願いを受けてくれました。
次の冬2万ケースのリンゴは確かに出荷することができました。
今では青森・福島・秋田・長野・山形とリンゴの産地も増え、出荷量もシーズン何十万ケースも扱う主力商品となりました。
赤石農園は数あるりんご農家の中でも出荷量No.1です。テレビCMにも出てもらっています。
すべての農家さんとは、あのとき、あんなことがなかったら……という思い出がいっぱい詰まっている出会いの物語がありました。私の大切な思い出です。
赤石淳市さんと私の孫です
収穫前の様子
綺麗にたくさん実ったりんご
とても鮮やかな色をしています
今年もりんごにたっぷり蜜が入っています
本日もお読みいただいてありがとうございました。
感謝