チョット切ないオムライスの話

まだ小学生のころのことです。
モノクロのテレビでオムライスを美味しそうに食べるシーンがあり、想像もつかない私はオムライスに憧れるようなりました。

そのころ親戚の叔父さんが都会のお嫁さんをもらい、その家に遊びに行ったときのことです。
昼時で帰るころになって、なんと黄色い薄焼き卵で赤いご飯を包んだオムライスが出てきたのです。
その家の子が食べているオムライスたるものが、私は食べたくて食べたくてたまりませんでした。



あたり前ですが、私の分は無くしょんぼり家に帰りました。

益々オムライスへの憧れは募るばかりです。
あの赤い色はなんだろう?と思っても家にケチャップはありませんでした。

それから2〜3年後、母と生まれて初めて太陽デパートに行って、昼ごはんを食べようと見本を見たとき目の前にオムライスがあったのです。
迷うことなくそれを頼んだ私は、長年憧れた初めてのオムライスを食べるに至ったのです。
長年の夢は呆気なく叶いました。
とても美味しかったのですが、夢は夢のまま温めているときの方が幸せかもしれません。

本日もお読みいただいてありがとうございました。

感謝