久しぶりの本

本棚に「これ読んでないかも」と思う本がありました。
最近はスマホで時間を使うことが多く、読書からは遠ざかっていました。
『ひと』という表題の分厚い本をちょっと読んでみようかなと読み始めましたが、最後は取り憑かれたかのように3日で完読しました。


著者:小野寺史宜『ひと』表紙

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20歳の男の子が3年の間に父と母を亡くし、兄弟も親戚もおらず、大学も中退し生きていく姿が、そのなかで出会う人たちを巻き込みながら描かれています。

55円しか手持ちがないなか、50円のコロッケを買おうと店員さんに声を掛けた直後、別のおばさんに1個しか残っていないそのコロッケをくださいと言われてしまいます。
主人公の青年は黙って譲るのですが、それを見ていた店主が120円するメンチカツを袋に入れて「50円でいいよ」と言ってくれるのです。

アルバイト募集の貼り紙を見てこのお店で働かせてもらうことになった主人公が、その後生きていく様には胸がいっぱいになるばかりで「頑張れ!頑張れ!」と声が出そうになりました。
人は人とつながって生きているんだなあと、この年になってたくさんの人たちが思い浮かびました。
お金が無くなっても温かい心や優しさは別のところで育つものなのでしょう。

久しぶりに読んだ小野寺史宜さんの本にしばらく頭を占領され、ぼーっとしていました。オススメです。

本日もお読みいただいてありがとうございました。

感謝