実家のある御船町七滝、遊んでいるのは孫達です。
先日、母を病院に連れて行った際、母が思い出した切ない話です。以前にその病院を利用して母の友人が出会った災難ですが、友人はちょっとトイレに行きたくて、バッグをいすに置いたまま席を離れてしまったそうです。
治療も終わり、支払いを使用としたところ、バッグの中に財布が入っていません。その時になってはじめて、財布をとられたことに気付いた友人は、病院の人に事情を説明し帰りのバス代は借りて帰ったそうです。
7万円ものお金を入れてはいたものの、自分の不注意もあり諦めていた1ヶ月後、病院から電話があり「財布がありました」とのこと。なんと、バッグを置いていたそのいすの上に財布は置かれていたそうです。中身が入っているとは露ほども思わず取りに行ったところ、万円札は1枚も減っていませんでした。
友人は考えたそうです。怖くドキドキしながらバッグから財布を取り出し、使おうか使うまいか1ヶ月も悩み、やっぱりどうしても使うことができず病院のいすの上に置くと決めるまで、
その人の気持ちを考えるとどんなに苦しかったろうと思いやられ、自分が安易にバッグから離れてしまったことを本当に強く後悔したそうです。
話を聞いて、とても深い話ですが、ちょっと切なく言葉に詰まった私に母が言った
「二人とも二度とこがん失敗はさっさんどけん良かったたい」
の言葉には、なるほど、さすが我が母ちゃん!!でした。
私達が日頃関わる人に対し、見たり話したりして判断していることは、ほんの一面でしかなく、見方を変えてみたり、他の人から「本当はこんな人なんですよ」と耳打ちでもされると、コロッと見方が変わるときがあります。
とても良い話を見つけましたので紹介します。一面だけで人を判断してはいけないと思わされます。
「見えることだけで判断していませんか?」
美術館に行く列車に2人のこども連れの父親が乗ってきました。電車が走り出すとすぐにその男の子達がはしゃぎ始めます。走り回り、ベンチの上で飛び跳ねたりして、とても迷惑だったのですが、父親は見て見ぬ振り。男の子達に注意することなく、ただボーッとしていたのです。あまりにうるさいので、たまらずその父親に言います。
「子供達が周りに迷惑をかけているのが分からないのですか。父親ならちゃんと注意すべきでしょ!」と。
するとその父親が、次のように答えます。「あ・・・あ、確かに注意しなきゃいけないですね。すいません」と寂しげな声で「実は先程、近くの病院であの子達の母親が亡くなりまして・・・この美術館は母親とあの子達の思い出の場所なので、それで連れてきたのです・・・」
この瞬間、すべてが変わります。それまで、まったく躾のなっていない悪ガキだった子供達。そしてそれを注意しない常識のない父親と見ていたことが、この話を聞いた途端、母親を亡くしながらも懸命に元気でいようとしている子供達。妻を亡くして、気落ちしている父親。幼い子供達をこれから父親一人で育てていくという試練に向かうのだろう。大変なことだ。というように見えるように変わってしまいました。
木津第二中学校 生徒指導部 教師版通心「優厳実行(ゆうげんじっこう)」から抜粋
いかがでしたでしょうか。私達も一瞬の判断で人を決めつけたりしないようにしたいものです。
今日も読んでいただいてありがとうございました。
感謝